基本情報技術者試験と応用情報技術者試験との違いは?どちらが難しい?

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験の中の最初の関門として、基本情報技術者試験応用情報技術者試験がありますよね。

他業種で少しITについて勉強したいという方であればITパスポートや基本情報でよいかもしれませんが、SE(特にSIer)をやっている人からすると基本情報と応用情報はほぼ必須という会社も多いのではないでしょうか。

私の会社も中には両方持ってない人もいますが、やはり入社後数年間は応用まで取るように言われ続けます。

さて、そんな基本情報と応用情報についてですが、基本情報に合格してから応用情報にチャレンジするのが一般的な道筋かと思いますが、中には基本情報を飛ばして応用情報受けた人や、基本情報落ちたのにそのあと応用情報を受けたら受かったという人もいます。

なぜそういった人が出てくるのか、解説していこうと思います。




ちなみに私は学生時代は情報工学専攻で、会社でSEをやっており、基本情報、応用情報に加え、高度情報の4つの区分に合格しています。

そんな私から見た視点もついでに書いておこうと思います。

試験の違い

試験内容

まずは試験内容の違いについてですね。

午前と午後の試験に分かれていることは一緒です。

午前問題は短問式、午後問題は文章問題ということも変わりません。

基本情報はすべての問題が選択式だったのに対して、応用情報は午後問題が選択式+記述問題となります。

よって、基本情報はわからなくてもとりあえず勘で回答が出来るのに対して、応用情報はしっかり理解して記述する必要があります。




あと、午後問題の出題範囲が異なってきます。

基本情報の午後問題は、

「情報セキュリティ」「データ構造及びアルゴリズム」を必須とし、テクノロジ系から3つ出題、マネジメントや戦略から1つ出題される4つの中から2つ選択、ソフトウェア開発(プログラミング言語問題)の5つ(C/Java/Python/アセンブラ/表計算)から1問選択

となっているのに対し、

応用情報の午後問題は、

「情報セキュリティ」を必須とし、それ以外の10問(経営戦略、プログラミング、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、情報システム開発、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査)から4問選択

となっています。


よって、基本情報にあったアルゴリズムとプログラミング言語が必須ではなくなり、分野をより自由に選べるようになっています。

難易度

問題の得意不得意を無視した単純な問題の難易度は、明らかに基本情報より応用情報のほうが難しいです。

文章問題の文章量も増えていますし、試験内容でも触れたように選択式ではなく記述式も入りますから、しっかりと的を射た回答を書かないと不正解となってしまいます。


ちなみに午後問題にばかり触れていますが、午前問題もちゃっかり難しくなっています。

もちろん基本情報と同じような問題が多数出題されますが、応用情報にしか出題されないような問題も多くあり、基本情報の午前問題が完璧だったから応用情報を勉強せず…というのは無理です。


受験者層

受験者層も違ってきます。

基本情報は学生やSEに就職したばかりの人で若い人が多いですが、応用情報は学生は少なくなっており、基本的には新卒入社して1年~5年程度の社会人が受験します。

合格率も基本情報より更に低くなるのですが、それは上記のように社会人経験者が増えた状態で合格率が低いわけですから、明らかに応用情報のほうが難しいと言えるでしょう。

受験者の年齢も基本情報が26歳くらいなのに対して、応用情報は30歳近くになります。

余談ですが私は大学院卒業して会社に新卒入社した春に合格したのでたしか24歳とかですかね。

それなりの学力があってかつしっかり勉強したら誰でも新卒の2年以内に取れるとは思うのでおそらく年齢としては早くないと思います。

文系には基本情報より応用情報のほうが簡単?

さて、いろいろ基本情報と応用情報の違いを見てきましたが、こういった話をすると、よく



文系には基本情報より応用情報のほうが簡単






という話題があがります。

これは確かにある意味間違っていないと思います。

上のほうに書いたように、基本情報はアルゴリズムとプログラミングが必須になります。

これが初学者には結構鬼門となっているようです。

確かに全く知識がない状態でアルゴリズムやプログラミングは難しいと思います。


一方、応用情報は情報セキュリティを除くと自由に選択でき、技術的なところを避けて選択することも可能です。

そういった意味では文系の人は応用情報のほうが簡単と思うのかもしれません。


ただ、上には書いたように、内容そのものは確実に応用情報のほうが難しいです。




そもそも「応用情報のほうが簡単」と言っている人は、基本情報と応用情報の両方を受験しており、基本情報を受験してから応
用情報を受験しているはずです。

なので、個人的には「基本情報の勉強をしてある程度の基礎知識を身につけ、また、業務などで経験を積んだ結果、応用情報が簡単に思えた」という説も考えられるのではないかと思います。

それでもいきなり応用情報受ける人へ

そうはいっても、どうせ応用情報目指してるから基本情報なんて受けずにいきなり応用情報受けたいよって人もいるかと思います。

まず、技術的なところを勉強したくないから応用情報を受けようと思っている方は、おすすめしません。

私の周りにいきなり応用情報受けた人や、基本落ちたけど応用受かったという人も何人か知っていますが、東大卒のような頭のいい人か、会社に入社して2年程度たった経験者のいずれかです。

頭もよくないし勉強も苦手だから勉強時間短縮と思って基本情報を飛ばすのだけはやめましょう。

知識のない状態からいきなり応用情報を受けようとすると150時間から300時間程度はかかるそうです。



さて、上記のようなことを書いてもいきなり受ける人、いますよね。

そんな人はSEの経験やIT知識の有無によって勉強の仕方が変わってくるかなと思います。

事前知識、経験のある人

SEの経験があったり、学生でITについてはそれなりに詳しい人などは、事前知識を身につける教科書のようなものを買うよりは、いきなり応用情報の過去問集を買ってひたすら問題を解きながら知識の定着を目指したほうがいいです。

私がいつもおすすめしているのは下記の問題集です。

これが個人的には一番わかりやすく勉強しやすいです。

ひたすらに過去問で勉強してください。

正直知識や経験がある人はそんなに心配してないです。



あ、逆に社会人になって何年か経ってる人は、試験に慣れてなかったり休日に朝起きれないという人もいるのでそっちが心配ですね笑



事前知識、経験のない人

はい、問題はこんな人です。

頭のいい人はまぁ勉強したら受かるでしょう。

私のようにそんなに頭のよくない人は、実直に、勉強しましょう。それなりの覚悟は必要かと思います。

まずは教科書的なもので勉強ですね。

お勧めはこのあたりです。

それで一通りどんな感じか理解したら過去問をやりましょう。

ここで重要なのは、教科書で知識をつけることに注力しすぎないことです。

完全に理解したり覚えてから過去問に行く、ということはやめてください。

理解していなくても、とりあえず1~2週間で教科書は一通り読んだうえで、過去問を解き、わからなかった言葉などを教科書で振り返るようにしてください。

勉強においてひたすらに本を読んでいても絶対に覚えられません。問題を解いて思い出そうとするときに知識は定着します。

なので、問題を解くことを重点におきながら都度教科書を見て知識をつけるということを心掛けてください。




あと、ついでに、文系の人で技術の勉強がどうしても嫌って人には、午後問題は以下の4つがおすすめです。

  • 問2:経営戦略
  • 問9:プロジェクトマネジメント
  • 問10:サービスマネジメント
  • 問11:システム監査

まぁわかってますよね。

いずれもITに関する知識があまりない状態でも解くことができます。

ただ、問題としてはこれらの科目はそれなりに経験があったほうが解ける問題が多いため、未経験者には解きにくい問題が出る時があります。

なので、勉強するときはこれら4つだけではなく、ほかにも2つくらい候補は勉強しておき、難問が出た時に対処できるようにはしておきましょう。


まとめ

・基本情報よりは応用情報のほうが難しい

・「応用情報のほうが簡単」は知識や経験がついたことによる錯覚では?

・文系には確かに応用情報のほうが得意な可能性もある

・知識経験のない人が基本情報を飛ばして応用情報を受験する場合はそれなりに覚悟して勉強してね




なお、基本情報の午後の選択問題について書いた記事もあるのでもしよければそちらもどうぞ




また、独学で本を読むのが苦手って人は以下のスタディングのオンライン講座で勉強するのもありかと思います。

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