IPAが2026年6月に、2027年度から始まる新しい試験のサンプル問題を公開しています。応用情報と高度試験が再編されてできるプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)のものです。
ITストラテジストもプロジェクトマネージャも論文で合格した身としてはやっぱり気になるので、実際にサンプル問題を読んでみました。制度の変更点と、読んでみて思ったことを書いておきます。
2027年度から何が変わるのか
2027年度から、今の応用情報技術者試験と高度試験がまとめて再編されます。新しい試験はマネジメント、データ・AI、システムの3つの領域に分かれていて、どの領域も科目A-1(90分)、科目A-2(120分)、科目B(120分)という構成です。
始まるのは2027年度の夏から秋ごろの予定です。その前の令和8年度(2026年度)は、現行の区分のままCBTで実施される最後の年になります。
今の高度試験を持っている人の扱いについては、一部科目の免除要件を満たしていれば、一定期間は新しい試験でも一部の科目を免除することが検討されているという段階です。まだ決まってはいません。
サンプル問題を読んでみた
全部選択式だった
読んでみて一番驚いたのがここで、マネジメントの4問も、システムの6問も、全部選択式でした。記述式も論述式もありません。どの問題も、選択肢の組合せを選ぶ形になっています。
IPAは記述式・論述式を「CBTに適した出題形式へ見直す」としていて、予備校などでは論文がなくなると見ているところもあります。ただ公式に論文をなくすと決まったわけではないので、本番がどうなるかはまだ分かりません。少なくともサンプルは全問選択式だった、というのが今の事実です。
ちなみにデータ・AI領域のサンプル問題はまだ準備中でした。
マネジメントは、STとPMとSMとAUの寄せ集め
マネジメントの4問の中身は、こんな感じです。
問1が地域MaaSを題材にしたDX戦略の企画で、これはITストラテジストの領域です。問2がインシデント管理と問題管理で、ITサービスマネージャ。問3がSaaSの機能追加プロジェクトのスコープの決め方で、プロジェクトマネージャ。問4がAIチャットボット導入計画のシステム監査で、システム監査技術者です。
つまり今の4つの区分から1問ずつ出ている形で、ITストラテジストとプロジェクトマネージャが同じ試験になるということです。
システムは幅がかなり広い
システムの6問は、ダッシュボードの要件定義、クラウド上のアプリの無停止更新、ドローンを使った橋の点検システム、WebSocket、収穫ロボットの状態遷移、スクラムと、かなり幅広いです。システムアーキテクトとネットワークとエンベデッドを混ぜた感じでしょうか。
論文で合格した立場から思うこと
論文がなくなるのは少し寂しい
正直、少し寂しいです。
普段パソコンでしか文字を打たない人たちが、論文を手書きで書く練習をするというのはそれ自体が一つのハードルでした。そのぶん合格者同士には、よく頑張ったなという謎の連帯感みたいなものがあったと思います。
ただ、合格を目指すという点では受けやすくなってよいのではと思います。論文は自分で評価しづらいので、しっかり書いたつもりでも何が良かったのか分からず、勉強するのが難しい部分でもありました。選択式ならそこはだいぶ変わりますね。
STとPMが一緒になること
ITストラテジストとプロジェクトマネージャは、求められるものが違っていて、問題を解くときにも思考を切り替える必要がありました。
それがなくなるのは大丈夫かなと思う反面、1つの試験にまとめる以上、より汎用的な問題になっていくのかなとも思います。
AI導入の監査が出ていること
マネジメントの問4は、コールセンターにAIチャットボットを導入する計画のシステム監査でした。PoCの評価基準があいまいなまま進むリスクや、学習データの品質、学習させた結果をきちんと評価しているか、オペレーターがAIの誤った回答をそのまま顧客に伝えてしまうリスクなど、AIを業務に入れるときの品質と運用の話が問われています。
私はいまAI導入の部署にいるのですが、こういうところは今後は監査の範囲にも当然入ってくるところだと思います。試験がそこに追いついてきたという感じですね。
まとめ
2027年度からの新しい試験は、マネジメント、データ・AI、システムの3領域になり、公開されたサンプル問題は全問が選択式でした。マネジメントにはITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、ITサービスマネージャ、システム監査の内容がまとめて入っています。
私自身もいずれ受けようと思っていますが、中小企業診断士がひと段落してからになりそうです。
最初の年はどんな問題が出るのか分かりづらいので、勉強はしにくいと思います。ただそのぶん、すごく難しい問題は出てこないとも思うので、初年度からチャレンジするのもありかなと思います。受ける人は頑張ってください。

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