「ITストラテジスト」と「プロジェクトマネージャ」はいずれもIT系資格の高度情報技術者試験の中でも最高峰と言われる二つです。
他にも「システム監査技術者」もありますが、こちらは「監査」に関わる人への試験となり、対象は少なくなってしまいます。
さて、この二つの試験はトップクラスの難易度と言われていますが、どれだけ難しいのか、また、比較したときにどちらが難しいかについて解説していこうと思います。
ちなみに私はこの二つの試験はいずれも独学で1発で合格しています。普通にSEをやっていて29歳、30歳のときに合格しており、特に実務ではいずれも未経験であったのでフラットな視点で語れると思います。
その時の合格体験記&対策についてもブログ記事にしておりますので、興味のある方はこの記事の最後に載せておきます。
なぜこの二つの資格なのか
「ITストラテジスト」および「プロジェクトマネージャ」はいずれもSEもしくはコンサルをやっていて特に外せない目標となっていることでしょう。
SEであれば基本情報、応用情報ときて、SC、DBなど自分の分野のスペシャリスト系の試験を受けてさあ次は論文試験のある試験だと通常の流れではあるかと思います。
その中でも特にこの二つは、SEとして最終的に目指す人が多い専門であり、資格としても最終目標としている人が多いです。
また、コンサル(特にITコンサル)では戦略としてITストラテジストが重要視されるのは当然ですが、なんだかんだPMであったりPMOをやることが多く、この「プロジェクトマネージャ」試験も実務にしっかり関わってくる内容となっています。
特に最近は高給であり若いうちからいろいろやらせてもらえるということで、コンサルが非常に人気になっておりますので、将来的にコンサルに行ってみたいという人はこれらの試験を受けてみて勉強するのもよいでしょう。
と、いうわけでこの二つの試験の難易度について解説していこうと思います。
難易度比較
まずは私の個人的な意見の前に数値などで比較します。
いずれも年によってばらつきがありますが、大体これくらいです。
プロジェクトマネージャ | ITストラテジスト | |
---|---|---|
受験者数(年間) | 10000人 | 5000人 |
合格者数 | 1500人 | 700人 |
合格率 | 14%程度 | 14%程度 |
偏差値 (資格難易度ランキングより) | 69 | 71 |
合格者平均年齢 | 38歳 | 40歳 |
試験の形式や試験時間、合格点などはどちらも同じです。
最近はコロナの影響で受験者が減っていますが、コロナ前の大体の数字を記載しました。
ITストラテジストのほうがより専門性が高いため、受験者数はプロジェクトマネージャの半分となっていますが、合格率はどちらも14%程度とあまり変わりありません。
合格者の平均年齢は少しだけITストラテジストのほうが高いです。
また、資格難易度を記載しているサイトでの偏差値はプロジェクトマネージャ試験は69、ITストラテジストは71と、少しだけITストラテジストのほうが偏差値が高いです。
これらを総合すると、少しだけITストラテジストのほうが難しいと言えるでしょう。
受験してみて
私の体感でいうと、やはりITストラテジストのほうが少し難しいように感じました。
ただ、いずれも高難易度であることには変わりないのです。
各試験と比較すると、
基本<<応用<<<スペシャリスト系(DB、NW等)<<プロジェクトマネージャ≦ITストラテジスト
くらいの違いです。
まず応用とスペシャリスト系がすごい差があり、基本と応用、スペシャリストと論文系は同じくらいの難易度差があるように感じます。
それらに比べると難易度に差はないです。
特に違うなと感じたのは、問題に対しての答えです。
まず、高度情報の中でもスペシャリスト系の試験では、文章問題の問題文の中に、必ずパッとみてダメな行動をとってる人がいたり、ダメな設計になっているのがわかるようになっています。それらについて問題文から部分的に抜き出して解答するものが多いです。
次にプロジェクトマネージャ試験は、問題文に対して、問題行動をしている人は出てくるのですが、スペシャリスト系よりはあからさまじゃないです。なので、たぶんこれだろうなって感じで問題文を読みます。また、問題文が直接的に答えになっていない問題が多く、ただ問題文から文章を抜き出しただけでは解答できない仕組みになっているものがほとんどです。なのでスペシャリスト系に比べると難易度は確実に上がっています。
最後にITストラテジストですが、プロジェクトマネージャと比べるとさらに問題分の中の問題点が見つけづらくなっています。スペシャリスト系やプロジェクトマネージャは問題点を改善するのに対してITストラテジストは普通の行動をより改善できるんじゃないかというような視点も必要です。
なのであからさまな問題が見つけづらく、解答したあとでも「本当にこれであってるかわからない」というようなパターンは多いです。
プロジェクトマネージャ試験は勉強してて問題を解いて解答を読んで大体納得できるのですが、ITストラテジストは「そうなんだ?そうなのか?」とちょっと腑に落ちないというところが多いです。いや、間違ってるとかではなく自分の解答が正解でも、そもそもの自分の解答に自信が持てず、最後までもやっとした記憶があります。
また、もう一つ難しく感じる原因として、ITストラテジストのほうが受験者数がすくないのもあって、問題集も少ないです。
プロジェクトマネージャ試験の参考書も、基本情報や応用情報と比べて確実に少ないのですが、ITストラテジストはさらに減ります。
試験問題作るにはやはりそれだけ合格者が必要だったりしますからね。。。
なので勉強もしづらいという点も難しくしている原因かと思います。
というわけで、受験した結果として、個人的にはプロジェクトマネージャよりITストラテジストのほうが少し難しいと感じています。
まとめ
今回はプロジェクトマネージャとITストラテジストの試験はどちらが難しいのかという点で記事にしてみました。
いろいろな数値を見ても、実際に受験した感想としても、ITストラテジストのほうが少し難しいと感じます。
ただ、それは多少の誤差という感じで、他の試験区分に比べたらプロジェクトマネージャもすごい難しいことには変わりないと思っています。
今現在目指している方、そのうち受験しようと思っている方は、多少の参考になればと思います。
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